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プロジェクト事例
三井化学株式会社 環境・エネルギー事業推進室 様
プロジェクト事例
CASE STUDIES

三井化学株式会社 環境・エネルギー事業推進室 様

三井化学株式会社について

⻑年培ってきた得意技術をベースに、新たな顧客価値を創造し、事業活動を通じて社会課題の解決を目指している化学企業。⾃動⾞材料を中⼼とした「モビリティ」、メガネレンズ⽤材料、⻭科材料、不織布等の「ヘルスケア」、農薬、包装材料等の「フード&パッケージング」を成⻑のターゲット領域とし、石油化学・基礎化学品を中⼼とした汎⽤化学品を社会・産業を⽀える「基盤素材」領域として、積極的な事業展開を図っている。

メガソーラー発電所における課題:発電量低下の検出

近年、三井化学は太陽光発電事業の診断・コンサルティング事業にも進出している。

メガソーラー発電所では、太陽光パネルの劣化等による発電量低下が売電収入の低下に直結するため、発電量の低下を精度良く検出することが重要な課題となっている。

しかしながら一般的なメガソーラー発電所では、

(1) 太陽光パネルが約 2,000〜3,000 枚繋がったパワーコンディショナー単位で、発電量をモニタリングしている
(2) 発電量が、気象状況・周辺環境・太陽光パネルの故障など様々な要因で変化する

などの理由により、太陽光パネルに起因した発電量の低下を精度良く検出することは難しく、⽇照量に基づいて算出した期待発電量と実際の発電量を⽐較する⼿法にとどまっているのが現状である。

テンソルとの共同開発により、従来手法と比べ80倍以上の診断性能を実現

そこで三井化学は、茂原分工場内にある太陽光発電実証設備を活⽤して、三井化学がもつ「太陽光パネルの劣化・故障に関するデータおよび知⾒の蓄積」と、テンソルがもつ「⾼度なデータマイニング技術」を組み合わせ、太陽光パネルの劣化等による発電量低下を精度良く検出する発電量データ診断技術を開発した。

発電量はパネルの汚れや気象状況にも左右されるため、⽇照量だけを単純に考慮していては発電量低下の検知は難しい。

もともと、太陽光発電に関する知⾒はテンソルにはなかったが、三井化学の三井化学の持つ知⾒を吸収し、これを踏まえたデータマイニングを⾏うことで従来⼿法の 80 倍以上の診断性能を実現した。

本⼿法は、太陽光パネルのメーカーやその他特定の条件を前提としないため、国内に限らず世界のメガソーラー発電所で発電量データ診断サービスを提供することができる。

なお本研究については、両社共同で、2 件の国内特許と 1 件の国際特許を出願済である。

福⽥伸執⾏役員 環境・エネルギー事業推進室⻑は、「太陽光発電所の診断サービス事業は、発電所建設時の機能要件診断だけでなく、今後は、各発電所の経年劣化によるパネルの故障診断も重要なサービスとしてニーズが⾼まることが予想される。

三井化学が⻑年蓄積してきた知⾒と、今回テンソルと共同開発した技術を活⽤して、発電所の設計/初期稼働から、安定運⽤まで含めた一貫したサービスを提供し、クリーンな再生可能エネルギーの発展に貢献していきたいと考えている」と語っている。